イソフラボンと癌

「イソフラボンが癌を誘発する!?」 これは事実ではありません。

逆にイソフラボンを適度に摂取することで、癌の予防ができます。
しかし過剰摂取は癌を誘発するリスクを高めます。

イソフラボンとは、マメ科の植物に多く含まれる、ポリフェノールの一種です。
大豆には、特にイソフラボンが多く含まれています。

このイソフラボンは、その化学構造が女性ホルモンの「エストロゲン」に似ていることから「植物性エストロゲン」とも呼ばれています。
味噌や納豆などの大豆製品を通して、適度に摂取することで、体の健康にとても良い効果があります。
その一つが癌予防です。
特に女性の場合、乳癌予防に力を発揮します。

癌の原因となるのは体内にある「チロシンキナーゼ」という酵素です。
このチロシンキナーゼは、細胞の増殖や分裂などにかかわる信号の伝達においてとても重要な役割を担っています。
もちろん体には必要不可欠な酵素です。

しかし、チロシンキナーゼが異常に活性化すると、細胞が異常に増殖し、それが癌を誘発する原因となります。
そこで大きな働きをするのが、イソフラボンです。
イソフラボンの一種の「ゲニステイン」は、チロシンキナーゼの働きを抑制してくれます。
その結果癌の発症を抑えてくれます。

それと同時に、ゲニステインは癌細胞が栄養を補給するための回路を切断し、成長するのを妨ぎます。
つまり癌細胞の増殖・転移をブロックしてくれるのです。

女性の場合、閉経後に女性ホルモンの分泌量が急激に減少し、その結果乳癌の発症リスクが高まります。
それを補うために毎日適量のイソフラボンを取り入れることで、癌予防になります。

国立がんセンターの研究によると、閉経後の女性の場合、食事によるイソフラボンの摂取量が多い人ほど、乳癌のリスクが最大70%も低下するという結果が出ています。

しかし、逆にサプリメントによるイソフラボンの過剰摂取は、乳癌を誘発するという報告もされています。

女性ホルモンには「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」があり、エストロゲンは卵胞ホルモンです。
もう一つの黄体ホルモンは「プロゲステロン」とよばれます。
体内ではこの2つがバランスを保って、体の健康を維持しています。
特にプロゲステロンには乳癌の発症を抑える効果があります。

しかしサプリによってイソフラボンを過剰に摂取すると、この2つの女性ホルモンのバランスが崩れ、体内でエストロゲンが優勢になりすぎてしまいます。
その結果、プロゲステロンの働きが弱くなり乳癌を誘発してしまうのです。

適量のイソフラボンを摂取して、癌を予防しましょう。

参考:http://www.diningcompass.com/ganto.html