イソフラボンは有害な物質?

イソフラボンは有害な物質である、といううわさがあります。
しかし正しくは、イソフラボンの「過剰摂取」が体に害を及ぼす可能性がある、ということにすぎません。

大豆の栄養素の中で、最も代表的なものの一つが、イソフラボンです。
イソフラボンはその化学構造が女性ホルモン「エストロゲン」に似ていることから、体にエストロゲンと同じ作用をもたらしてくれます。

男性にとっても女性にとっても、女性ホルモンは必要不可欠なホルモンです。
毎日の食事の中で、イソフラボンを適度に摂取することで、体内のエストロゲンバランスを保つことができます。

女性の場合イソフラボンを適量摂取することで、PMS(月経前症候群)の症状を軽くし、自律神経のバランスを整えることができます。
更年期障害は主に女性ホルモンの急激な減少により引き起こされるものです。

イソフラボンはエストロゲン様作用をもたらすため、体内のエストロゲンの欠乏を補い、更年期障害の症状を軽くしてくれます。

男性の場合、イソフラボンの摂取により、体内の女性ホルモンのバランスを保つことができ、前立腺癌や薄毛・抜け毛を予防することができます。

逆に、過剰摂取は体に害をもたらします。
成人女性の場合、月経周期の延長や月経周期の乱れが報告されています。
内閣府の食品安全委員会は、妊婦、もしくは妊娠の可能性のある人はイソフラボンの過剰摂取に注意するように促しています。

その原因としてイソフラボンをふくむフラボノイドが、トポイソメラーゼⅡを阻害することが懸念されているからです。
トポイソメラーゼⅡとは、DNAの構造を正常に保つよう助ける酵素です。
イソフラボンを過剰摂取してしまうと、この酵素の働きを阻害してしまい、胎児のDNAの発育に重大な影響が及ぶのです。

男性の場合、イソフラボンを過剰摂取しすぎると、性機能の低下などの問題を引き起こします。

食品安全委員会は1日の摂取量の目安を、食事による摂取では70~75㎎、サプリによる摂取では30㎎としています。
適量を摂取して、健康を保ちましょう。